良い点も悪い点も含め…

2018年は日本製ポークリンドが次々登場した!

こちらが釣り吉ホルモン「ピッグダディ」の瓶
ポルコブラック
こちらがポルコブラックの瓶です

ここ1~2年「釣り吉ホルモン:ピッグダディ」シリーズや「ポルコブラック」シリーズなど、新たなポークが次々登場していて、ワーム禁止の西湖・河口湖アングラーには人気となっています。筆者自身、2018年シーズンは釣り吉ホルモンの「ピッグダディ」を使用して良いサイズのバスをゲットしているので、これについて記事を書きたいと思います。

【予習】そもそもポークリンドって何よ?

昔からある歴史の長いルアーで、30年以上前から売られていました。ジグやスピナーベイトのトレーラーとしての使用が中心で、米国のアンクルジョッシュ社が老舗。素材は豚の脂身と革でできており、非常に丈夫。保存液の入った瓶に浸かって売られています。天然素材なのでナチュラルな動きが出ますが、丈夫な反面、針に刺すのが難しかったり、乾燥しやすくすぐカピカピになってしまったりするので、扱いやすいプラスチックワームに人気がシフトしていました。しかし、91年にプラスチックワームの使用が禁止になった河口湖・西湖では再び脚光を集めていたルアーなのです。

2016年、米国製「アンクルジョッシュ」社ポーク生産中止の衝撃

そんな中ポーク好きの河口湖民を襲ったバッドニュースは、米国「アンクルジョッシュ」社ポーク生産中止のニュースでしょう。プラスチックワームの性能向上やバリエーションが増えたこと、また、生産は結構手間がかかる商品なのでビジネスとしては成立しにくくなってしまっていたという背景があったようです。実際に小売の現場でも生の豚の脂身や革よりもパッケージに入って劣化しないプラスチックワームのほうがありがたいし、ナマモノなのでクオリティにバラツキがあったりと正直ワームに押される気味というのは本国でも同様のようで、とうとうアンクルジョッシュ社はポークリンドを生産中止になってしまったようです。こんな状況がウワサの尾鰭を付けて世間にに広がると、ネット界隈ではいわゆる「買い占め・転売」行為が横行。ワーム禁止の河口湖・西湖のアングラーにとってはちょっとした暗黒時代を迎えつつあったのです。

2017~18年、日本製メーカーが次々と立ち上がる!

しかしそんな中、2017年オフシーズン釣り吉ホルモン「ピッグダディ」の登場を皮切りに、この日本で瓶入りポークリンドが次々に発表され、2018年は「ポルコブラック」社などの参入もあって、日本製ポークリンド元年ともいうべき現象が生じた1年でした。ポークをありがたがるのは日本人だけなんかいな?という素朴な疑問も持ち上がりますが、いずれにせよ河口湖民にとっては朗報であったことは間違いありません。

2018年通して使ってみてのインプレッション

2018年6月に西湖で釣ったナイスサイズ。

私も早速2018年から「釣り吉ホルモン・ピッグダディ」をフットボールジグ「PDLキャリラバTG」のトレーラーとして河口湖・西湖で導入。今シーズンはすべて40センチ以上を11本取ることができたのでインプレッションを公開します。

良い点

とにかく品質が安定しているのがイイ!
均質で高いクオリティ
「すべてが一軍」なんてキャッチコピーがあるとおり、米国製に比べてとにかく品質が安定している。アンクルジョッシュはすごいいい品質のものと全くだめなものが同じ瓶に入っていたりして、しかもそれは買って開けてみるまでわからないというギャンブルみたいな商品だったのだけれど、国産「釣り吉ホルモン・ピッグダディ」はそれがなくて、4瓶買いましたが一つとして「ハズレ」を引くことはありませんでした。
耐久性は米国製並かそれ以上
ポークリンドの特徴として、ロストしない限り使い続けられるという高い耐久性があるのですが、この美点は日本製ポークでもバッチリ踏襲されています。多少針を刺した穴が広がることはありますが、これはアンクルジョッシュも一緒。純粋な強さ以外にも染料が抜け落ちてしまう「色あせ」「色抜け」という要素があるのですが、この部分においてはアンクルジョッシュより段違いに優秀。生の豚の革と脂身を染めているだけなので米国製を使用している頃は、「色褪せしてくるのは宿命だ」と思っていたのですがこの褪色が殆ど無いのは本当に素晴らしいです。
釣果もバッチリでした。
釣り人にとってなにより肝心なのは「釣れるかどうか」ですが、全く遜色なく釣れることが判明w。すでに入手困難となっていて同じ条件で比べてみることができないためアンクルジョッシュ製と比較はできませんが、今シーズンはデカバスがよく釣れたというのが実感です。もしかしたらアンクルジョッシュより釣れるんじゃないか?という印象すら持っています。
これが最大魚の51センチ。河口湖

悪い点

高価(但し「歩留まり」が良いので実質単価はあまり変わらず)
ひと瓶(2個入り)950円前後だったアンクルジョッシュに比べて、日本製は1600円位とちょっとお高め。ただし「良い点」であげた「ハズレがない」という意味でこの差はほぼゼロだと思っています。というのもアンクルジョッシュのハズレを捨てて1個あたりの平均を計算したらこの差は大きく縮まるのです。ざっくりとした肌感覚としてはアンクルジョッシュの外れ率は3個に1個ぐらい。1個あたりの単価は約709円となり、100円も違わない…あんまり変わらない事がわかります。
米国製にくらべて保存に気を使うかな(対策方法あり)
ワンシーズン使用する中で気づいたのですが、アンクルジョッシュに比べ腐敗が進みやすい印象を持ちました。おそらく、アンクルジョッシュは防腐剤が強かったのかめったに異臭などはなかったのですが、ピッグダディはある夏場に瓶を開けたところ、傷んだベーコンみたいな匂いになってしまっていました。(ではそれが釣れないかというとそんなことはなくて、私の2018年河口湖最大魚51センチ(上の写真)はその過熟成ポークで釣ったという事実w)後で調べてみると、ピッグダディの保存液の中身は飽和食塩水で、使った後に水をよく拭き取らないで瓶に戻すと塩分濃度が下がり、雑菌が繁殖してしまうようです。このため、使った後は水分を拭いて瓶に戻す/しばらく繰り返したら家で飽和食塩水を作って保存液を交換するようにしたら、傷むことはなくなりました。詳細は釣り吉ホルモンHPにも書かれているので、参考にしてみてくださいね。
万能ではない(使い分けが大事)
これも米国製でも同じことなのですが、革と脂身だけなので、素材に張りがないのと、針が刺しにくいため、細い小型の針を使用するダウンショットなどのライトリグには不利です。マスバリを使ったダウンショットには「GENKIポーク」や「ONプランニング」などの袋入りがオススメ。こちらは脂身というよりコラーゲン成分が中心で、針が刺しやすく、プルプルとした弾力が魅力です。ダウンショットには袋入り、ジグのトレーラーには瓶入りと使い分けるのが大切です。

結論「ワーム禁止の河口湖・西湖では必携アイテム」

主に2018年シーズンから出てきたジャンルのルアーなので、まだまだ市場には行き渡っていません。キャリルにも定期的に入荷がありますが、比較的短期間で入荷分が完売してしまう状況。限りなく手作りに近いプロダクトなので致し方ない部分もありますが、1年使ってみての結論は「釣れる」。アメリカ製と遜色なく、むしろ高品質に仕上げてあるので、ラバージグの釣りには必須アイテムです。