そもそも「キャリラバ」って何なのよ?

「キャリラバ」と聞いて「うおお!」となるのはオッサン世代だけかもしれないのでちょっと説明を。
「キャリラバ」とはもともとはキャリルで売っていたオリジナルのフットボールラバージグでした。
「キャリル」のオープンが平成元年で、その数年後には販売していた記憶があるので、
実は20年以上の歴史があるルアーです。

当時ラバージグというとシャローのカバーゲームで使う想定のものがほとんどで、
アーキーヘッドでごっつい針とブラシガードがついたものが殆どでした。

初代「キャリラバ」
コレが初代キャリラバ。タックルボックスから出てきたw

キャリラバはそんな中では異色のラバージグでした。
ディープを釣るために特化されており、

  • すり抜けよりも着底後ゴロンと寝転がらないためのアメフトやラグビーボール型のヘッド
  • ウィードガード性能よりも刺さり重視のノーガード仕様
  • シャープで小型細軸のフック

といたフィネス志向の特徴を持つラバージグという位置づけだったのです。
写真を見ると、ラバー自体も現在主流のシリコンではなく、ゴムラバーですね。

当時の時代背景として、
「ライトリグ黎明期」であったことは押さえておきたいポイント。
ちょうど「スライダーワーム」「ゲーリー4インチグラブ」などがヒットルアーの仲間入りをしており、
それまではもっと大きく、ごついルアーでみんな釣りをしていました。
ナチュラルで小型のルアーがすれたバスに効果テキメンであることが解明され、
認知されるようになってきたころ登場したのが「キャリラバ」だったのです。
(ダウンショットリグの登場・フロロカーボン糸の普及はもう少し後の話w)

キャリルに行くと沢村プロが机でキャリラバを巻いていた、そんな思い出もありますね。
当時、信号下で入れ食いを経験し、こんな釣りがあるんだ~と目から鱗だった記憶があります。

ローカルルアーが全国区へ

とはいえ、この時点では「いちショップのオリジナルルアー」に過ぎず、
全国へ普及するのはもう少し後になります。
その後キャリルのみの販売から、ティムコが生産・販売するようになり、
このルアーの威力が全国に波及します。河口湖のローカルルアーから、
霞ヶ浦・琵琶湖・またはスモールマウスバスにも効果テキメンであることがわかり、
「フットボールジグ」というひとつのジャンルになるまでに成長を続けました。

2016年キャリラバがモデルチェンジ!

20年以上にわたり生産され続け、販売が続いた「釣れ続ける」ルアー=キャリラバでしたが、
ヘッドが鉛製であることからトーナメントで使えないルアーでした。
それでも釣れるルアーなのでトーナメンター層以外には使用されていましたが、
環境問題への対応というのは釣具企業だけでなく一般アングラーにこそ求められるものです。
また、これだけインパクトの強い名作ルアーが大会で使うことが出来ないというのも問題です。

こういった時代背景のもと、「釣れる」名作ルアー=キャリラバが
タングステンヘッドをまとい、Feco認定を取得して2016年再デビューしたのです。

キャリラバTG(タングステン)
写真は6個だけど全8色展開です。

キャリラバの特徴は?他の同ジャンルとの違いは?

フットボールラバージグが釣れることが広まり、
各メーカーともフットボールジグの開発競争が始まります。
ジグを生産・販売しているメーカーで、フットボールを作っていない所は
ほとんど無いことからも、このタイプのルアーは釣れるルアーだということが分かります。

その中でも未だにキャリラバが支持を受け続けること、
タングステンに仕様変更をしてまでティムコが生産を続けることには理由があります。
キャリラバだけがもつ独自のフック設計がもたらす、フッキング能力なのです。

独特のフッキング理論を紐解く

このフットボールラバージグというルアーがもつ宿命的な弱点として、
「バラし、フックアウトの多さ」があげられます。
ヘッドが重たく、ガードが無いため
バスがヘッドシェイクをした際などに外れやすい
のです。
実際、ジャンプなどをした際には結構な確率で外されてしまいます。
(ジャンプする際、バスは激しく頭を振ります。)

この問題を解消するため、各社様々な工夫を凝らしていますが、
キャリラバは、針先を外向きにしてしっかり刺さるように工夫してあります。

キャリラバのフック

通常、フックアウトを減らすためには、針先を内向きにする
「ねむり針」が採用されることが多いです。
「外れないための工夫」といっていいでしょう。

一方、キャリラバでは外向き針による「刺さるための工夫」がなされていています。
二者の努力の方向性は180度違うので、
どちらが優れているという議論はあまり意味がないように思います。

しかし、実際に釣り上げたバスの掛かりを見ると、
狙い通りクチビルではなく、硬いバスの口蓋部分を貫くように刺さっていることが多いです。

キャリラバTGのバス

このぐらい深い場所に刺さっていると、
ファイト中もバスは口を閉じているのでまず外れることはありません。

キャリラバTG以前の時代の資料も含めて
だいたい、口蓋深くに刺さっていることが多いでしょう。
(比較としてあげたスモラバのバスはクチビル近くに刺さっています)

キャリラバ刺さりの例

実はこの刺さり方を安定して出すために、
ちょっとした工夫をするとキャッチ率がアップしたので、
以下にご紹介したいと思います。

【私見】この針を生かすためのフッキングとファイトの工夫

ここからは私見になりますが、
よければ参考にしてみてください。

早合わせしないでスイープフッキング
「カツカツカツ」と比較的ハッキリとしたアタリがあるフットボールの釣り。
嬉しくて即アワセしがちだけどここは焦らず、送り込むような感じで余分に出た糸を巻き取り、
釣り竿でバスの重みを乗せるようにスイープ(箒で掃くような)フッキング。釣り竿のストロークを利用します。
慌ててゴリ巻きしない
早く釣り上げたい気持ちは抑えてゆっくりやり取り。
慌ててゴリ巻き=上方向に速く引き上げてしまい、バスが水面でジャンプしていまいます。
ジャンプするときはバスは口を開け、頭を振るので、このときに拍子で外れてしまうこと多し。
一回近くに寄せたら反転させる
近くに寄せてきて、バスが人間の姿を確認するとバスは反転して
最後の抵抗を見せます。実はコレが重要で、あえて反転させ引っ張らせます。
この事で硬い口蓋部分にシッカリ針が刺さります。

トリプルフックのルアーやワームの釣りよりちょっと慎重にやるだけともいえますw。

キャリラバTGを含めたフットボールの釣りのメリット

ブラインドの釣りの楽しさ
そこに居るバスを見つけ、目で見て食わせるサイトの釣りも楽しいですが、
さお先に伝わる手ごたえを感知して釣り上げる、日本語で言う「脈釣り」の楽しさがあります。
さお先、糸にハッキリでるバスの生命感にはきっととりこになるはずです。
何より大きいバスが釣れる。
とにかく釣れるバスのサイズがいいです。
自分の経験では40センチ以下が釣れることはまずありません。
ビッグサイズを狙って釣る楽しさ・感動はこの釣りならではだと思います。

おしまいにこのフットボールの釣りが有効なシーズンですが
バスが深場(河口湖で言うと4m以深)に落ちる「アフタースポーン」
産卵後から、河口湖・西湖両方で威力を発揮するようになります。

真夏から、秋が深まる時期まで有効な攻略法ですので、
ぜひチャレンジしてみてほしいなと思います。

最後の最後にステマっぽく宣伝w
キャリラバTG各種・各色ならキャリルでぜひww